へぼ日記

へぼくてへっぽこな日記

過去日記より抜粋9

リクエストよりケント。
かなり昔の日記を覚えてくれてる方がたくさんいて
なんだかとっても嬉しいです。



■2003/12/18 「ケント!」

今日、いつもの駅から電車に乗り込んだ際、
2人席の通路側の席が空いていたので座ったんですよ。
窓際の隣席にはスーツを着たビジネスマンと思わしき人が。
しばらくするとその人がポケットから携帯を取り出して電話をかけはじめました。
私もかかってきたりしたら話しちゃうことあるし、
メールをチェックしたりもするので大きなことは言えないですけど、
自分から電話をかけるのはできるだけ控えるようにしてます。
私はそのとき本を読んでいたんですが、
電車の中で携帯使うのか…と、ちょいとムムムと思ってました。
そんな私の気持ちも知らず、
電話がつながったらしいその人は、元気な声で挨拶しました。

「○○マーケティング(会社名)の ケ ン ト デ ー ス !」

いや、待ってくれ。

ケントってナンダヨ!と驚きのあまり心のツッコミが片言風になりました。
動揺を悟られぬよう、本に熱中してますというポーズをとりつつチラ見すると、
いかした高鼻を持つ、まごうことなきガイコクジーンな風貌ですケント。
(普通、隣の人の顔をじっくり見ないじゃないですか。
服装だけで判断したので、外国人だとは思わなかったんです)

「コチラノ用事が長引きマシテ、京都ニ着くノハ〜、
 3時30分ぐらい二、なるんデスヨ。
 ナノデ、打ち合わせジカンが短くなってしまうんデスヨネ…
 中村サンのご予定ハ、いかがデス?」

外国人なまりはあるものの、かなり日本語がお上手なケント。
車内で携帯電話というマナー違反はおいといて、
世界で一番難しい言語(のひとつ)といわれる日本語、
しかもビジネス会話を電話で話せるとはただ者ではありません。
思わず私も、中村さんの予定が心配になってしまいました。
「ア、ダイジョーブですカァ?よかったデス〜」
どうやらスケジュールが合ったご様子。よかったねケント、と思った瞬間。

「ほんとすんません

すんませんだけ 異 常 に う ま い ケ ン ト。
ここだけ聞いてると骨の随まで日本のサラリーマンです。
この完璧な「すんません」が、あのチャーミングマウスから飛び出したなんて誰も想像できませんよ!
堂に入った「すんません」から察するに、
ケントはかなりの長期間、日本社会で揉まれたのでしょう。
あまりの使い慣れっぷりにツボをおされ、必死で平静を保つ私にケントだめ押し。

「すんません。じゃあ、よろしくお願いシ マ ー ス !」

語尾だけ外国人に戻るケント。
その隣で身悶えする私(笑いをこらえて)。

ケント…!あんた、すごいよ!

そして中村さんとの電話が終わったと思ったら、間髪おかずに呼び出し音が。
すかさず電話に出るケント。
「Oh〜、Mr.タナカ!ケ ン ト デ ー ス!」
いや、ケントに電話したんだから田中さんもケントだとわかってると思うよケント。
「デキレバ明日、お会いしたいんデスヨ、東京に1時頃いけますカラ」
今日は京都で明日は東京。手広くやってンなあケントと
隣で感心されているとも知らず、ケントはゴーイングマイウェイ。

「ア、Okですカ?アリガトーございマース!無理イッテほんとすんません

最初と最後で、明らかに国籍が違います。
そしてまたも身悶えする私(死にそうです)。

結局名古屋駅に着くまで、電話が絶えることがなかったケント。
その会話のなかで登場した「すんません」はかなりの回数にのぼりました。
謝意としてでなく、「ではマタ。すんません、ヨロシク」など
日本人的な使い方もしていました。
よく、日本のサラリーマンは理由もなく謝ることから、
不思議がられたり、卑屈だ、狡猾だと言われることがあります。
確かにそういう面もあるでしょうけど、
相手を侮っていない、尊重していることを無意識に表明するものだったり、
単に会話の円滑油になっていたりもするんですよね。
そのあたりは感覚の問題で、気になる人と気にならない人といるでしょう。
でもケントの「すんません」は、なんだかチャーミングで私はとっても好きでした。

  1. 2005/08/03(水) 19:28:01|
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